マンションのゴミ置き場で起きた“リチウムイオン電池”のヒヤリ体験

こんにちは斎藤英次商店マーケティングチームです。
本日は、当社の社員Hさんが業務外で体験したリチウムイオン電池に関する、とある出来事をお伝えします。
リチウムイオン電池の火災事故を防ぐために「家庭で今すぐできる安全な捨て方について」もあわせてご紹介します。
Hさんは千葉県松戸市内のマンションに30年以上住んでいます。
そのマンションでは、子どもが独立して親元を離れた世帯が増え、現在は夫婦二人暮らしの世帯が多くなり、全体として高齢化が進んでいます。
年齢を重ねるにつれ、これまで何の問題もなくできていたことが、次第に負担に感じられるようになり、やがては支援がなければ難しくなってしまう——。そんな変化を、身近に感じるようになってきました。
もっとも、Hさんのマンションは管理組合の活動がしっかりしており、さまざまな課題や問題に継続的に取り組んでくれているおかげで、約500世帯の住民は安心して暮らすことができています。
年末が近づくと増える「不用品」—ゴミ置き場で毎年驚かされる
さて、年末になると各家庭で不要になった物の処分や大掃除が行われます。
年末の1~2週間は、マンション内のゴミ集積ステーションに持ち込まれる、さまざまな種類のゴミや不用品の量に、Hさんも毎年のように驚かされます。
段ボール、衣類、雑誌、家電の外箱、生活雑貨。
ふだんの生活では表に出てこない“家庭の中のモノ”が、一斉に姿を現すタイミングです。
そんな光景を見るたびに、Hさんは半年前に起きた、ある出来事を思い出します。
それは、マンションのゴミ集積ステーションに定期的に回収に来てくださっている回収業者の方から、注意を受けた出来事でした。
回収業者の方からの指摘「これ、火災の原因になります」
回収業者の方は、かなり切迫した様子でした。
「昨日、『リサイクルするプラスチック(ビニール・プラスチック類)』の回収に伺った際、ある袋が異様に重かったため中を確認したところ、携帯電話の充電などに使用するモバイルバッテリーが入っていました。また、故障したと思われる携帯用の小型扇風機も混ざっていました。これらは発火の危険性が高く、火災の原因となります。このような捨て方は絶対にしないよう、住民の皆さまにきちんと周知してください!」
モバイルバッテリーや充電式の小型家電には「リチウムイオン電池」が使われていることが多く、これが破損や圧迫、衝撃を受けることで発熱・発火する危険性があるのです。
ゴミ収集車の中で圧縮される。処理施設の中で破砕される。
そうした工程で電池が傷つき、火花が起き、火災につながる。
業者の方が強い口調になった理由は、重大な事故につながりかねない、かなり危険な捨て方だったからです。
すぐに動いた管理組合。しかし「なぜ起きたか」は簡単に結論が出ない
この指摘を受け、すぐにマンションの掲示板には注意喚起のポスターが掲示されました。
また、管理組合の理事定例会議でもこの件が議題として取り上げられ、原因の考察と再発防止策について、3時間にわたる話し合いが行われました。
議論の中で印象的だったのは、「誰かの悪意」や「常識の欠如」といった単純な話ではない、という点です。
そこで挙がった「原因」(あくまで推察)を、いくつかご紹介します。
理事会で出た“原因仮説”(推察)
・リチウムイオン電池が原因となる火災が社会問題になっていることは知っているが、どのような製品に使われているのかを正しく理解していない
・自分の身の回りの製品に、リチウムイオン電池が使われているという認識がない
・社会問題であることは知っているが、何のゴミとして捨てればよいのか分からない
・「たぶんこれと一緒に捨てても問題ないだろう」と自己判断してしまう
・捨ててよいか分からず家に溜まっていたものを、多くのゴミを出すタイミングで、どさくさに紛れて捨ててしまった
・「自分ひとりくらいなら分からないだろう」「問題になることはないだろう」という意識
失礼ながら、この記事を読んでいる方の中にも、思い当たる点がある方はいらっしゃるのではないでしょうか。
実はこれ、個人だけの問題ではない—「分別が難しい社会」になっている
少しだけ視点を広げてみると、リチウムイオン電池をめぐる問題は、個人の分別意識だけで解決できる話ではありません。
近年、リチウムイオン電池は、
・モバイルバッテリー
・ハンディ扇風機
・ワイヤレスイヤホン
・電動歯ブラシ
・電子タバコ(※地域により取り扱いが異なります)
・小型掃除機、電動工具
・ゲーム機器やおもちゃ
など、想像以上に多くの製品に使われています。
しかも、電池が「取り外せる製品」もあれば、「一体型で分解できない製品」もあります。
どちらなのかを知らないまま捨てようとすると、判断に迷ってしまうのは自然なことです。
さらに、自治体によって分別区分や回収方法が違うため、引っ越しや家族構成の変化をきっかけに、分別ルールが分からなくなってしまうケースもあります。
ここだけは全国共通。「迷ったら混ぜない」「確認する」—安全の基本動作
この記事では、特定の自治体の捨て方ルールはあえて紹介しません。
理由は、地域によって分別区分や回収方法が異なるためです。
ただし、全国どこで暮らしていても共通して言える安全行動があります。
✅リチウムイオン電池が疑われるものは、まず混ぜない
可燃・不燃・プラスチックなどの一般ごみに混ぜない。
「袋の中にこっそり入れる」は最も危険です。
✅捨て方が分からない時は、自治体の公式案内で確認する
検索するなら
「自治体名+モバイルバッテリー 捨て方」
「自治体名+充電式電池 捨て方」
が確実です。
✅膨張・破損・異臭・発熱がある場合は、自己判断しない
※とくに膨らんだモバイルバッテリーは危険な状態の可能性があるため、無理に押し込んだり、他のゴミと一緒に袋に入れないようにしましょう。
通常の排出方法では扱えないケースがあります。
この場合も自治体または専門窓口に相談するのが安全です。
仮説を検証するため、マンションでアンケート調査を実施へ
理事会では、先ほどの原因仮説を「推察のまま終わらせない」ことを確認しました。
近日中にマンション住民を対象とした簡単なアンケート調査を実施し、どの程度の方がリチウムイオン電池製品を正しく認識しているのか、捨て方で迷うポイントはどこか、自宅内に“捨てられずに溜まっている”ものはあるのか、といった実態を把握した上で、結果に基づいた適切な対策を講じていくことになりました。
おわりに:火災は「知らなかった」で起きてしまう。だから“仕組み”が必要になる
今回、Hさんのマンションで起きた出来事は、たまたま業者の方が袋の異様な重さに気づき、回収前に確認してくださったことで、重大事故を未然に防げた事例だったのかもしれません。
しかし、日常のゴミ回収が続く限り、同じような“混入”が起きる可能性はゼロにはなりません。
「分別の知識」だけで守るのではなく、
迷わない導線・捨てやすい仕組み・周知の工夫が必要になっている
そんなことを、マンションのゴミ置き場から考えさせられた出来事でした。
結論:リチウムイオン電池が入っている可能性があるものは「混ぜない」「自治体で確認する」。これが火災を防ぐ基本です。
アンケートの結果については、また改めてご紹介したいと思います。