カーボンニュートラル×段ボールでGX推進!?脱炭素経営の実例を紹介!
近年、多くの企業から「GX(グリーントランスフォーメーション)を進めたいけれど、何から始めればいいのか分からない」という声が聞かれます。
カーボンニュートラルや脱炭素経営の重要性は理解していても、実際に行動へ移すのは簡単ではありません。
私たち斎藤英次商店も手探り状態での中、まずは自社のCO₂排出量を正しく把握し、脱炭素化の方針を定めることからスタートしました。
そのうえで、再生可能エネルギーの導入や電動重機への切り替え、カーボンオフセットの活用など、一歩ずつ着実に進めてきました。
本記事では、当社が実際に取り組んできたGXの実例をご紹介します。
これからGXを進めたいと考えている方にとって、実践のヒントや次の一歩につながれば幸いです。
目次
【お知らせ】 GX検定ベーシックについて
まずは、直近で進めた斎藤英次商店での取り組みについて紹介させてください。
2025年8月、当社では、GX推進に欠かせない基礎知識とスキルを証明できる「GX検定ベーシック」を、希望した社員23名が会社負担で受講しました。
受講の目的としては、ビジョンでも掲げるゼロカーボン・脱炭素経営の推進に際し、脱炭素の基礎知識を持った人材を社内に増やすこと。
そして、合格によって得られる「環境省認定制度 脱炭素アドバイザー ベーシック」の資格を通じて、社外に対しても当社の取り組みをしっかりとアピールできるようにすることです。
今回、筆者も受講し、基礎的なGXに関する法規制、制度、実例を学べる良い機会となりました!
↑検定に合格すると合格証が貰えました。
【本題】 Scope1・Scope2におけるCO₂排出実質ゼロの実現
GXを進めるうえで、自社のCO₂排出量を削減することはとても重要なステップです。
斎藤英次商店は、2023年度時点でScope1(燃料使用による直接排出)とScope2(電力使用による間接排出)のCO₂排出実質ゼロを達成することができました。
そこで、ここからは、当社が脱炭素化の実現のために取り組んできたアクションをご紹介します。
再生可能エネルギー電力調達
当社では、実質的に再生可能エネルギー100%の電気を提供している電力会社と契約しました。
2022年1月より千葉県内1営業所、本社、茨城県内1営業所を除く計9拠点にて、再生可能エネルギー由来の非化石証明付き電力調達を開始しました。
このプランは、再生可能エネルギーによって生み出された電気を、使用できるプランになります。
そのため、通常の化石燃料で発電された電気と異なり、再生可能エネルギーで発電された電気はCO₂を排出しておらず、環境価値が高いといえます。
当社の場合、scope2のうち、電力消費がCO₂排出の中でも大きな割合を占めるため、この切り替えは脱炭素経営の基盤となっています。
✔ 非化石証書付きで環境価値を証明!
太陽光自家発電の設置
次に、自らエネルギーを生み出す挑戦です。
当社では、2024年に土気営業所、2025年に柏沼南営業所に太陽光パネルを導入しました。
これにより、営業所の照明や空調の電力を自家発電でまかなうことができ、電気代削減を実現することができました。
✔ 電力購入依存を減らし、エネルギーコストを抑制!
✔ 自社でクリーンエネルギーを生み出し、CO₂排出削減に直結!
電動重機の導入
営業所で欠かせないフォークリフト等の重機も電動タイプへ順次切り替えを進めています。
従来のディーゼルエンジンに依存する機械から、より環境に優しい電動式に移行することで、現場の排出ガス削減と騒音の低減に成功しています。
✔ 再生可能エネルギー電力との組み合わせでCO₂排出削減に直結!
カーボンオフセット(J-クレジット活用)
前項の通り電動重機の導入は進めています。
しかし、当社の排出量のうち約8割以上を占める「回収車両」を、EV化させることについては、現時点では技術的・運用上の課題があり全面的な導入が困難な状況です。
そのため、技術革新を待つ間の排出分については先行してJ-クレジットを活用し、カーボンオフセットを実施しています。
✔ CO₂排出量の実質ゼロを実現!
【GXの新たな挑戦】 カーボンニュートラル段ボールの発売
当社は、古紙問屋といって市場に出回った段ボール・新聞・雑誌などの古紙と呼ばれるものを回収し、それを自社でプレス加工し、製紙会社に納入する事業をメインに行っています。
この中で、自社が行っている回収で使用される燃料や立地の都合で再生可能エネルギー由来の電力が利用できない営業所での電気の使用から排出されるCO₂をオフセットすることで当社はカーボンニュートラルを達成しました。
昨今、環境貢献に対して積極的に取り組む企業が増えてきており、当社はもちろん、当社の取引先である製紙会社でも、そのような活動が多くみられます。
ただ、いくら製紙の製造工程を見直しても、原料で排出されている部分のCO₂はどうしても削減できていないのが現状だと考えています。
そこで当社は「カーボンニュートラルを達成している古紙問屋」という強みを生かし、ただの製紙原料ではなく、CO₂を実質的に排出せずに回収された製紙原料という付加価値をもった「カーボンニュートラル段ボール」を新商品として開発しました。
カーボンニュートラル段ボールはサプライチェーン全体での脱炭素推進につながり、取引先企業にとっても環境報告の実績として活用できるメリットがあります。
単なる製品ではなく、取引先と一緒にゼロカーボンを実現する仕組みとして、この段ボールは大きな役割を果たしていくと考えています。
✔ 差別化による競争優位性を確立!
まとめ
当社は「Zero Carbon・Zero Waste」のvisionのもと
1.現状把握「CO₂排出量の見える化」
2.GX、脱炭素化に向けた行動計画策定
3.脱炭素化の実行
4.新しい価値の創造
のステップを踏み「カーボンニュートラル段ボール」という商品が誕生しました。
今後も、斎藤英次商店では脱炭素、廃棄物といった課題を解決する商品サービスを提供できるようにしていきます。