独自調査!リチウムイオン電池に関するアンケート結果
目次
背景
近年、リチウムイオン電池の不適切な廃棄による火災事故が全国で相次いでいます。
たとえば!
不燃ごみの中に混入していたリチウムイオン電池が破裂・発火したことが原因と推察され、不燃ごみの処理ラインが被害を受けました。1年以上にわたり運転停止が続き、地域のごみ処理体制に深刻な影響を及ぼしました。
2024年12月、茨城県守谷市の「常総環境センター」でも火災が発生。
不燃ごみに混入したリチウムイオン電池の破損・発火が原因と推察されており、取手市・守谷市・つくばみらい市・常総市水海道地区の不燃ごみ処理が全面停止。
復旧には約2年・40億円の費用が必要と見込まれています。
いずれも家庭から出された使用済みのリチウムイオン電池が火元とされており、私たち一人ひとりの行動が地域全体に大きな影響を与えることが分かります。
こういった社会問題を解決できないかと思い、斎藤英次商店ではリチウムイオン電池に関する課題や困りごとを調査し、安全かつ適切に回収処分ができないか、その第一歩を踏み出しました。
リチウムイオン電池とは?
そもそもリチウムイオン電池は何かというと、大容量の電力を蓄えることが可能で、繰り返し充電して使用できる電池です。
その利便性から、スマートフォンやゲーム機器、電子タバコ、掃除機、モバイルバッテリーなど、私たちの身の回りにある多くの電子機器に内蔵されています。
さらに、近年では使用範囲が広がり持ち運び可能なあらゆる機器に搭載されるようになっています。
しかし、この便利なリチウムイオン電池には注意すべき性質があります。
それは、強い衝撃が加わると発火する可能性があるという点です。
電池に含まれる電解液は可燃性であり、破損や変形が起きるとショートや発熱を引き起こし、火災の原因になることがあります。
(出典:公益財団法人日本容器包装リサイクル協会「リチウムイオン電池による発火の危険性について」)
アンケートの結果と分析
Q.リチウムイオン電池を含む製品を捨てたことはありますか?
回答者20名のうち19名が「ある」と回答しており、多くの人が実際に廃棄した経験を持っていることがわかりました。
※ただし、今回のアンケートは、もともとリチウムイオン電池に興味がある人が多く答えてくれた可能性があります。
「捨てるときに困ったことがあったから気になって回答した」というケースも考えられるため、その点は踏まえておく必要がありそうです。
Q.捨てたことのあるリチウムイオン電池を含む製品は?(複数回答可)
複数回答可としたこの質問では、モバイルバッテリーが最多の10件と最も多く、回答者の半数がモバイルバッテリーの廃棄経験があることがわかりました。
次いで、スマートフォン・タブレットが7件、加熱式たばこが5件と続いており、日常的に使用頻度の高い製品が上位を占める結果となりました。
これらはいずれも小型で持ち運びやすい製品であるため、使用頻度や買い替えのタイミングが多く、結果的に廃棄経験も多くなると考えられます。
Q.リチウムイオン電池を含む製品の廃棄時に困ったこと・迷ったことは?(複数回答可)
最も多かったのは「正しい分別・回収方法が分からなかった」で9件でした。これは、製品の形状や表示によって電池の有無が分かりにくいことや、回収ルールが自治体ごとに異なることが影響していると考えられます。
また、「回収場所が近くになく不便だった」(7件)や、「電池を取り外せない製品で困った」(7件)、「そもそもリチウムイオン電池かどうか分からなかった」(7件)といった回答も同数で並び、廃棄場所・構造上の問題が主なハードルとなっていることが見えてきました。
一方で「特に困ったことはない」と答えた人は2件のみであり、大多数の人が何らかの不便や疑問を感じながら処分していることがわかる結果となりました。
Q.リチウムイオン電池を含む製品の正しい捨て方を知っていますか?
知っている7件、ある程度知っている7件、わからない6件と回答があり、3割は捨て方を知らないと分かります。
「知っているのに困る」リチウムイオン電池の捨て方に関する意識と実態
今回のアンケートで調査した「リチウムイオン電池を含む製品の正しい捨て方を知っているか」と「リチウムイオン電池を含む製品の廃棄時に困ったこと・迷ったこと」をクロス集計で分析しました。
その結果、「リチウムイオン電池を含む製品の正しい捨て方を知っている」と回答した人の中でも、廃棄時に困ったことや迷ったことがあるということが推測できます。
特に「回収場所が近くになく不便だった」と答えた人のうち、57%が「正しい捨て方を知っている」と回答しており、知識があっても物理的な環境の整備が追いついていない現状がうかがえます。
また、「電池を取り外せない製品で困った」と答えた人においては、知っていると答えた人の割合は14%にとどまりました。製品の構造的な問題で、知識があっても困りごとがでてくる可能性があります。
このように、「知っている=困らない」ではないことが明らかとなり、回収環境の整備や、より実践的で分かりやすい情報提供の必要性が浮かび上がってきました。
リチウムイオン電池廃棄に寄せられたご意見
アンケートでは、「リチウムイオン電池の正しい捨て方がわからない」という声とともに、より安心して廃棄できるための仕組みづくりに関する意見をいただきました。
たとえば、家電量販店や身近な場所に回収箱をもっと増やしてほしいという声や、自治体による分別・収集ルールのわかりやすい告知を求める声ありました。
さらに、「リチウムイオン電池がどの製品に使われていて、どうやって外せるのか」を視覚的に伝えるポスターや製品ごとの回収方法一覧、購入時点での廃棄方法の明示といった、日常の中で自然と行動につながるような情報提供を求める意見も多くありました。
X(旧Twitter)でもアンケートを取ってみました!
X(旧Twitter)でも9割がリチウムイオン電池の廃棄で困っていると結果が出ました。
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おわりに
斎藤英次商店では廃棄物を有効活用できるようリユースやリサイクルを行っております。
その中の一環として、リチウムイオン電池の廃棄問題も当社で力になれることがないか調査するために今回アンケートを取らせていただきました。
今後もユーザーの声を聞いたり調査し社会課題解決に取り組んでいきたいと思います。
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