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斎藤英次商店本社

産業廃棄物を利益にする方法|分別でコストが変わる理由とは?

廃棄物はコストではなく利益にもなります。
本記事では、処理費がかかる会社と収益化できる会社の違いを具体例とともに解説します。

目次

 

1.「捨てるだけ」で終わっていませんか?

工場の隅に積み上がる段ボール、倉庫の片隅に置かれたままの金属くず、食品加工ラインから日々出てくる残渣。
多くの企業では、こうしたものを「廃棄物処理費」としてコスト計上し、処理業者に引き渡すことで業務を終えています。
 
ただ、同じように廃棄物を出しているにもかかわらず、それを「収益源」として活用している企業も存在します。
一方は毎月数十万円の処理費を支払い、もう一方は売却によって収益を得ている。この差はどこから生まれるのでしょうか。
 
答えはシンプルです。「分別」です。
ただし、ここでいう分別は単なる「ゴミの種類分け」ではありません。
廃棄物を「処理するもの」として扱うのか、それとも「取引できるもの」として扱うのか。
その考え方の違いが、コストと利益を分けています。
 

2.「分別」が分岐点である

廃棄物がコストになるか、利益になるか。その分かれ目は「分別の精度」にあります。
廃棄物には、「混ざった瞬間に価値を失う」という特徴があります。
たとえばアルミ缶は単体であれば有価物として売却できますが、他の金属や異物と混ざると「混合廃棄物」として扱われ、価格は大きく下がります。
段ボールも同様です。異物が混ざると、引き取り自体が難しくなり、逆に処理費がかかることもあります。
 
つまり、廃棄物を「処理するもの」にするか、「取引できるもの」にするかは、「捨てる前の段階」でほぼ決まります。
 

処理」とは費用を支払ってモノを手放すこと。
取引」とは価値を持ったモノを対価と交換すること。
分別の精度が、この2つの運命を分けます。

 

3.廃棄物がコストになる会社の特徴

現場の実態

ある製造業の現場を想像してください。
生産ラインが終わると、作業員はゴミ袋に廃材、端材、包装資材をまとめて詰め込みます。
「とにかく片付ける」ことが優先されるため、アルミ、スチール、プラスチックが一緒くたに投入されます。
現場の声としてよく聞かれるのは「分けようとしたけど、どこに入れればいいのかわからない」「そんなことより生産が優先」というものです。
その結果、すべてが「混合廃棄物」として処理され、月末に処理業者から届く請求書には、数十万円の処理費が並ぶ。
そして担当者は「仕方ないコスト」として処理し、翌月も同じ流れが繰り返されます。
 

コスト型企業に共通するパターン

廃棄物の種類を問わず、一カ所に集約している
「とにかく処理業者に任せればよい」という意識が現場にある
廃棄物の種類・量・コストが可視化されていない
処理業者との契約を長年見直していない
分別のルールが明文化されておらず、担当者によってバラつきがある

一つひとつは小さなことに見えますが、積み重なると毎月の処理費がじわじわ膨らみます。
まとめて混ぜて捨てている廃棄物の中に、本来であれば売れたものが混じっているからです。

 

4. 廃棄物が利益になる会社の特徴

現場の実態

一方、廃棄物を利益に変えている企業では、一見すると地味な取り組みが徹底されています。
たとえば、同じ製造業であっても、アルミ、スチール、銅、段ボール、プラスチックそれぞれに専用のコンテナが用意されており、現場作業員は迷わず分別できる環境が整っています。
「アルミは白いボックス」「銅線はこの缶へ」というシンプルなルールが明示されており、新入社員でも初日から正しく行動できます。
そして月末、処理業者(あるいはリサイクル業者)から届くのは「請求書」ではなく「売却代金」です。
 

利益型企業に共通するパターン

廃棄物の種類ごとに分別ルールが明文化・標識化されている
有価物・産廃・一廃の区別が現場レベルで浸透している
廃棄物の発生量・種類・売却収益がデータとして管理されている
処理業者だけでなくリサイクル業者や商社との取引ルートがある
「出たものを売る」という感覚が、現場に自然と根付いている

 
利益を生む会社が、特別な廃棄物を出しているわけではありません。同じアルミ、同じ段ボールでも、「売れる状態で渡す」ために分けているかどうか、それだけの違いです。
この考え方は、金属くずや古紙だけの話ではありません。
オフィス移転の際に出てくる机・椅子・棚なども、まだ使える状態であれば廃棄物ではなくリユース品として引き取ることができます。
弊社では「捨てる前にリユースできないか」を常に意識して動いています。
 
▶ 関連記事:まだ使えるオフィス什器を、廃棄処分してませんか??
 

5. なぜ分別で差が出るのか

混ざった瞬間に価値を失う

廃棄物を売れるかどうか決めるのは「純度」と「量」です。
リサイクル業者が買い取ってくれる条件は、素材がきちんと分けられていることです。
 

アルミスクラップを例に挙げます。
純粋なアルミくずは1kgあたり数十円〜百円以上の買取価格になることもありますが、鉄や樹脂が混入した「雑品」として分類された場合、買取単価は大幅に下がるか、場合によっては逆有償(廃棄物として処理費が発生)になります。
この逆転が起きるのは、混ざったものを分けるのに手間とコストがかかるからです。
その費用が買取価格から引かれるか、逆に処理費として請求される形になります。
 
つまり「分けなかったツケ」が、最終的に費用として跳ね返ってくるわけです。
さらに、複数の廃棄物が混合した状態でコンテナに入っている場合、処理業者は「最も処理費用の高い品目」を基準に全体の単価を設定するケースがあります。
アルミと木くずと一般ごみが一緒に入っていれば、全体が高い単価で処理される可能性があるということです。
 
弊社では金属くずの回収にも対応しています。
詳しくはこちら:金属くずの回収サービス
 

6. よくある誤解

誤解①「分別コストの方が高くつく」

「分別に手間をかけると、その分の人件費が高くつく」という話もよく聞きます。
確かに、後から廃棄物をひっくり返して分けようとすると大変です。
 
でも、大事なのはそこではなく「出た瞬間に分ける」ことです。
アルミの端材が出た瞬間に専用ボックスに入れる。
段ボールを折りたたんで所定の場所に置く。
これが当たり前になれば、ほとんど手間はかかりません。
後から分けるのではなく、「出た瞬間に入れる場所を決めておく」だけで大きく変わります
 

誤解②「うちから出る廃棄物は売れない」

「うちは製造業じゃないから売れるものなんてない」という声もよく聞きます。
でも実際には、事務所から出る段ボールや古紙、使わなくなったPCなども買い取ってもらえます。
飲食店で出る廃食用油も、燃料として買い取られることがあります。
「自分のところから出るものは売れない」と思い込む前に、一度リサイクル業者に聞いてみてください。
意外なものが買い取ってもらえることは、よくあります。
 

誤解③「コンプライアンスを守れば十分」

廃棄物処理法を守ることは大前提です。
ただ、法律の基準をクリアしていても、有価物として売れる状態かどうかは別の話です。
「法律的にOK」と「売れる状態」は、必ずしも同じではないということです。
 

7. 改善ポイント

Step 1 : 廃棄物の「棚卸し」を行う

まず、自社から何がどれだけ出ているかを把握するところから始めてください。
「何を、どれくらい、いくらで処理しているか」を整理できていない会社は、意外と多いです。

廃棄物の種類リストを作成する(段ボール・金属くず・プラスチック・廃液など)
月間発生量と処理費用を種類別に集計する
現在の契約処理業者のサービス内容と単価を確認する
処理業者だけでなくリサイクル業者や商社との取引ルートがある
「出たものを売る」という感覚が、現場に自然と根付いている

 

Step 2 : 「有価物」と「廃棄物」を明確に区別する

廃棄物の中には、ちゃんと分ければ売れるものが含まれています。
以下の項目を確認してみてください。

金属系スクラップ(アルミ・銅・ステンレス・鉄):品目ごとに単独で集積できているか
古紙類(段ボール・新聞・雑誌・OA用紙):水濡れ・異物混入を防いで保管できているか
使用済みプラスチック:樹脂の種類(PP・PE・PETなど)別に分別できているか
廃食用油・廃溶剤:異物混入なく単独保管できているか

品目ごとの具体的な分け方は、弊社の分別方法ページでも確認できます。
古紙・金属・プラスチック・木くずなど、品目別に掲載しています。
 

Step 3 : 分別ルールを「仕組み」として設計する

「ちゃんと分けよう」という声がけだけでは、続きません。
担当者が変わっても同じようにできる仕組みを作ることが大切です。

各廃棄物の専用コンテナ・収集ボックスを現場に設置する
コンテナにカラーコードと写真付きラベルを貼る(視覚的に迷わない設計)
分別ルールを作業手順書に組み込み、新人教育に含める
月次で廃棄物の種類・量・収支をレポートとして可視化する

 

Step 4 : 取引先を「処理業者」だけに限定しない

長年お付き合いのある処理業者に全部お任せしているケースはよくあります。
ただ、廃棄物の種類によっては、専門のリサイクル業者に持っていった方が、売れる場合があります。
同じ素材でも複数の業者に声をかけてみると、条件が変わることがあります。
「処理してもらう」と「売る」は別物です。どちらの選択肢もあることを知っておくだけで、変わってきます。
 

8. まとめ

廃棄物がコストになるか利益になるかは、廃棄物そのものが変わるわけではありません。
同じものでも、ちゃんと分けて渡せれば売れるし、混ぜて渡せば処理費がかかる。ただそれだけの話です。
 
きちんと分別することで、廃棄物は「処理するもの」から「売れるもの」に変わります。
大きな設備も、難しい知識も要りません。
「混ぜたら終わり」という事実を知って、出た瞬間に分ける仕組みを作るだけです。
 
環境への対応が求められる時代に、廃棄物をちゃんと扱うことは会社としての姿勢にもつながります。
「廃棄物はコストだ」と当たり前のように思っているなら、一度立ち止まって考えてみてください。
 
分け方を少し変えるだけで、毎月の処理費が変わることがあります。まずはそこから始めてみてください。
 

ちゃんと分けるだけで、お金の流れが変わります
まずは廃棄物を「混ぜないこと」から始めてみてください。

 
 

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