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リチウムイオン電池の分別方法|回収業者が充電式電池の種類を解説

はじめに

リチウムイオン電池回収に取り組んでいく中で、このような質問をいただくことがあります。

 

「古い工具用のバッテリーなんだけど、これってリチウムイオン電池じゃないよね?」

「リチウムイオンじゃないなら、回収できないんじゃないの?」

 

リチウムイオン電池回収サービスというサービス名から、「リチウムイオン電池しか回収できない」と思われる方もいらっしゃいます。

 

しかし、実はリチウムイオン電池以外の充電式電池も回収可能です。

 

近年はスマートフォンやモバイルバッテリーの普及によって、「充電式電池=リチウムイオン電池」というイメージが一般的になりました。

 

しかし実際には、ニッケル水素電池、ニカド電池、鉛蓄電池、リン酸鉄リチウムイオン電池など、さまざまな種類の充電式電池が存在しています。

しかも、それぞれ使用されている機器や、リサイクル方法、危険性、処理方法が大きく異なります。

 

 

そもそも「充電式電池」とは?

まず前提として、世の中の電池には大きく2種類あります。

 

一次電池(使い切り)

充電できず、使い切ったら終わりの電池です。

 

代表例

・アルカリ乾電池

・マンガン乾電池

・ボタン電池(一部)

・コイン電池

 

二次電池(充電式電池)

繰り返し充電して使える電池です。今回の記事で扱うのはこちらです。

 

代表例

・リチウムイオン電池

・ニッケル水素電池

・ニカド電池

・鉛蓄電池

 

最近では、ほとんどのモバイル機器やコードレス機器に二次電池が使用されています。

 

リチウムイオン電池以外にも存在する充電式電池

では、リチウムイオン電池以外の電池の特徴や主な用途をご紹介いたします。

 

① ニッケル水素電池

特徴

リチウムイオン電池が一般化する前に広く普及した充電式電池です。比較的安全性が高く、乾電池型の充電池として現在も利用されています。

 

主な用途

・充電式乾電池

・古いデジカメ

・古いゲーム機

・電動歯ブラシ

 

見分け方

「Ni-MH」と表記されていることがあります。

 

② ニカド電池

特徴

現在では減少していますが、古い工具類ではまだ見かけます。耐久性が高く、過酷な環境でも使用できるため、業務用機器で広く使われていました。

 

ただし、カドミウムを含むため、適切な処理が必要です。

 

主な用途

・古い電動工具

・非常灯

・業務用無線機

・古い掃除機

・古いコードレス機器

 

見分け方

「Ni-Cd」と記載されている場合があります。

 

③ 鉛蓄電池

特徴

もっとも歴史の長い充電式電池の一つです。重量があり、大容量に向いています。内部には鉛や希硫酸が含まれています。

 

主な用途

・電動自動車用バッテリー

・バイクバッテリー

・電動フォークリフト用バッテリー

・非常用電源

・UPS(無停電電源装置)

 

注意点

破損すると液漏れする可能性があります。

 

④ リン酸鉄リチウムイオン電池

特徴

近年増えているタイプのリチウム系電池です。通常のリチウムイオン電池よりも熱安定性が高く、安全性が高いとされています。

 

一方で、リチウムイオン電池などと比べてかなりサイズが大きい特徴があります。

 

主な用途

・ポータブル電源

・家庭用蓄電池

・太陽光発電設備

・車載用バッテリー

 

なぜ電池を分別しないといけないの?

理由① リサイクル方法が違う

電池は、種類ごとに含まれている金属や内部構造が異なります。

 

電池種類と主な金属

 

・リチウムイオン電池:リチウム、コバルト、ニッケル

・ニカド電池:カドミウム

・ニッケル水素電池:ニッケル

・鉛蓄電池:鉛

 

このように、同じ「充電式電池」に見えても、中身はまったく別物です。

 

そのため、回収後の処理方法やリサイクル工程も種類ごとに異なります。

 

理由② 混ざるとリサイクル品質が下がる

リサイクルでは、「純度」が非常に重要です。

 

異なる種類の電池が混ざると、金属回収効率の低下、リサイクル品質の低下、再資源化の難化につながります。

 

これは紙リサイクルと似ています。

たとえば、新聞紙、雑誌、段ボールは、すべて「紙」ですが、用途や材質が違うため分けて回収されています。

電池も同じで、一見似ていても、中身やリサイクル方法は大きく異なります。

 

理由③ 発火・事故リスク

特にリチウムイオン電池は、圧迫、衝撃、破損によって発火する可能性があります。

 

もし他種類の電池や金属類と混在した状態で処理されると、火災リスクが高まる場合があります。

 

そのため、回収後の選別や安全管理は非常に重要です。

 

まとめて回収している場所もあるけど、大丈夫なの?

「家電量販店では、リチウムイオン電池もニッケル水素電池もニカド電池も、一緒に回収ボックスへ入れているよ?」と思われる方もいるかもしれません。

 

実際、多くの回収拠点では、消費者の方が利用しやすいように、複数種類の小型充電式電池をまとめて回収しています。

 

ただし、これは「あとで専門業者が分別・選別すること」を前提にした回収方法です。

 

回収段階と選別段階では役割が違います

 

・家庭や店舗での回収段階

・リサイクル事業者での選別段階

 

私たちリサイクル事業者は、その後の工程で、電池の種類、材質、危険性、処理方法を見極めながら、適切なリサイクルルートへ振り分けています。

 

分別すれば資源、混ざればゴミ

リサイクル業界には、分別すれば資源、混ざればゴミという言葉があります。

 

これは電池リサイクルでも同じです。

 

適切に分別されていれば、次のようなメリットがあります

 

・資源として再利用できる

・リサイクル率が向上する

・処理コストを抑えられる

・環境負荷を減らせる

 

一方で、適切な選別ができない状態になると、リサイクル困難、処理コスト増加、廃棄量増加、火災リスク増加につながる可能性があります。

 

つまり、分別は単なる「仕分け作業」ではなく、安全で質の高いリサイクルを行うための重要な工程なのです。

 

実際の回収現場ではどう見分けているの?

 

「見た目だけでは分からない…」

 

そう感じる方も多いと思います。

実際、電池の種類は非常に分かりづらいものです。

 

そのため斎藤英次商店では、独自の分別マニュアルを作成し、回収時の判断基準を統一しており、型番や製造年月日、サイズ、電圧なども確認しながら分別を行っています。

 

「現場でどう判断すればいいのか分からない」


「リチウムイオン電池かどうか見分けがつかない」

 

そんな方向けに、斎藤英次商店で実際に使用している「二次電池(充電式電池)分別マニュアル」も無料配布しています。

ただし、こちらのマニュアルは斎藤英次商店が、リチウムイオン電池などをもう一度利用できるようにリサイクルしてくれる企業に提供する際のルールや基準に沿っています。

完全にこちらのマニュアルに従うのではなく、現場でお困りごとがあったときや、新しくリチウムイオン電池などの二次電池を扱う際の参考資料としてご活用ください。

 

 

まとめ

ここまで、リサイクル電池やその他の充電可能な電池についてみてきました。

大切なのは、何の電池なのかを見分けること、適切に分別すること、正しい処理ルートへ流すことです。

 

斎藤英次商店では、今後も安全で適切な電池リサイクルに取り組んでまいります。

電池の処分や回収、分別でお困りの際は、お気軽にご相談ください。

 

今後ともよろしくお願いいたします。

 

お問い合わせはこちらから

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